2005年05月30日

☆葵の物語☆〜麻雀荘開店記C

 今日は夏奈がファンタジアに来る。

いよいよ、オーナーと葵と夏奈と3人での話し合いだ。

営業時間中だったけれど、今日もたぶんお客さんは誰もこない。

 オーナーと私は、この先どうするか2人で出来る範囲の話を色々と話ながら、夏奈を待った。

ガチャン。

約束の時間に少しだけ遅れた夏奈が息を切らして入ってきた。

『お久しぶりです。』

オーナーと軽く挨拶をかわす夏奈。

『高橋さんから話は聞いてるよ。座って。』

夏奈も着席して、いよいよ具体的な話が始まった。

 まず、オーナーは夏奈にも私にした質問と同じ質問をした。

『雀荘経営なんて、親御さんは大丈夫?仕事は?』

夏奈はまっすぐにオーナーをみて答えた。

『すべて大丈夫です。頑張ります!』

よしっこれで!新生ファンタジアの第1歩だねっ!
私はオーナーと夏奈とのやりとりを聞いて、昨日までの不安がどこかに消え去り、なんだか嬉しさが込み上げてきた(^-^)

そしていよいよ、具体的な話になる。

避けては通れないお金の事だ。

参考までに、まずオーナーが最初にここを買った時の値段をきいてみた。

ファンタジアは今、1階と2階のツーフロア。

でも、オーナーが買った当時は2階だけだった。
2階も当時から雀荘で、経営権ごと、〇百万で買い取ったと言った。

その後、ファンタジアは大繁盛!たまたま1階の床屋さんが出ていったので、空きテナントになり、下も借りたらしい。

って事は、私たちが両方買い取るとすると〇百万円×2??

高い!高すぎるっ(>_<)

思わず声に出し、言いそうになったけれど、寸前で飲み込む。

オーナーは私たちの顔色を見て慌てて言った。

『いや、でも、もともと辞めようと思っていたお店だからね。売って儲けようとは思っていないよ。あてがない訳じゃなかったけれど、果たして本当に売れたかどうかだって判らない。だから、お金なんていらないと言えばいらないし…。』

それを聞いて私たちも慌てた。

「そういう訳にはいきません!たとえば、誰も買い手がなかったとしても、オーナーには入るお金があるはずです。卓も売れるし、備品や家電だって多少のお金にはなるだろうし。それに…」

少し深呼吸して、続けて言った。

「あの、それからもうひとつ。私たち、そんなに半端な気持ちじゃないんです!やるからには必ず成功させます。こんな事、言いたくないけれど、言います。気に障ったらごめんなさい。あの、もしもですよ?成功したあとに、やっぱり僕の店だ!って言われるのも恐いんです。嫌なんです。だから、こーゆー事、お金の事はちゃんとしないと…。」

するとオーナーは

『そうだね。絶対に言いださないとも限らないね。僕も人間だからね。欲はあるよ。でも、お金もらっても、言うかもよ?「俺の店を返せ!」ってね。笑 でも、きちんと買えば、僕の突然の気の変わりにも、そんな事、お金払ったんだし、今更言われる筋合いはない!って君たちが突っぱねる事ができるって事だよね?それならば、それで君たちが安心なら、もちろん払ってもらうよ。』

と言った。

今思えばずいぶん失礼な事を言ったな…。
でも、不安なことは少しでも残しておきたくなかったの。ごめんなさい。

 そのあとも、私たちはお互いにいくつかの条件を話し合い、お互いの納得のうえ、無事お店を譲り受けることになった。

オーナーの好意で開店資金は見積もりよりもずっと安く済んだ(^-^)

難しい話を終えて

『開店はどうする?このまま、いつのまにか引き継いでいくの?』

とオーナー。

「いえ、リニューアルオープンという方向で行きます。少し、準備期間はお休みにします。心機一転でがんばります。」

私たちは言った。


『そっか!じゃあ、堅い話は終わり。3人で麻雀のお勉強でもしようか?ここもあと2週間だから今のうちにね。』オーナーが言う。

「うん。うん。これからは本走トップバッターだからね。役もちゃんと覚えなきゃ。」と私。

「私、麻雀負けたことないんです!」となぜか自信満々の夏奈;

その夏奈が、おぼつかない手つきで配牌をとり、必死で配牌に見入る;^_^

オーナーはとっくに理牌を終え、そんな夏奈を少し不安げに見る。

そんな2人を見て私は笑う。


初めて3人で卓を囲んだあの日。

私はきっと、ずっと忘れない…。


麻雀荘開店記Cに続く
posted by 葵&夏奈 at 00:00| 埼玉 ☔| 麻雀荘開店記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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